現在夏の各現場に向けて様々な機材整備を行っています。

今回はマトリクスインカムの紹介です。

マトリクスインカムとは…？

Clear-Comのような2線式インターカムと異なり、TX/RXを分離した4線式システムを採用したマトリクスインカムは、スタジオや中継車をはじめ、

多数の回線を要求される場所に使用されています。

喋りたい人と一対一、あるいはグループで通話でき、メッセージを録音したり、アラームを鳴らしたり、電話をかけたり。

マルチに使えるのがマトリクスインターカムシステムです。

代表製品としては、Clear-ComのEclipse&FreeSpeak、RIEDELのArtist&Bolero、RTSのODIN&ADAM&ROAMEOなど。

これらはシステムの中核となるフレームと、キーパネル、ワイヤレスのボディーパック(キーパネル)、各種4W機器で構成されます。

最近ではIP(Dante,AES67,ST2110など)で接続する製品も増えてきましたね。

リア基板を作ってみた

各プロダクション、局さんごとに宗派があるとは思いますが、弊社では長年RTSをメインで使っています。

RTS、Clear-Com、RIEDEL共にメインフレームとのIP接続は勿論、アナログ接続にもRJ45が使用されています。

昔はD-sub9ピン(DE-9)でしたが、機器の高密度化に伴い変化していったのでしょう。

↑RTS DKP-4016の背面端子。OMNEOネットワークで使用する場合、光SFPも直接刺さります！

バラシ中継にはイーサコン。よく考えられていますね…(公式HPより)

弊社で使用しているRTSのシステムフレーム Cronusの背面は、3MのMDRコネクターになっていました。

純正品のリア基板はRJ12しかない。メーカーから変換パネルも出ていますが、少しでもコンパクトに済ませたい。

最新型のキーパネルはRJ45ですから、RJ12には惜しくも入りません。

ならば、作る！ということで完成品がこちら。

上が元々のリア基板、下が制作したRJ45リア基板です。

海外のPCBAサービスで表面実装まで完了し、バックプレーンCNと8P8Cのはんだ付けのみ弊社で行いました。

今回お世話になったのはJLCPCBさん。設計ソフトからワンボタンで発注画面まで行けるので非常に快適です。

(注：この記事はプロモーションではありません、ただただお手頃価格だったので選ばせて頂きました)

板金含めても1枚あたり数千円と、とんでもない時代です。

シルク印刷にピンアサインを書いてみたり…今後ここを見る方はいるのでしょうか…。

RTSの現行キーパネルはアナログ接続に加え、OMNEO(Dante)のIPプロトコルも利用できます。

IPオーディオに対応しており、Danteネットワークから音を入出力できるとか。Dante Discoveryで自動接続されるので非常に便利ですね。

RTS ODINシリーズと組み合わせればよりスマートなインカムシステムが完成します。

採用実績を伸ばしているRIEDEL Artist-1024の対抗馬となるのでしょうか。

各社のRJ45 ピンアサインについて

これは備忘録です。各社の比較表を作ってみました。

アナログ接続を利用する場合、メーカーを切り替えるのは少しハードルが高いな、ということがひと目で分かります。

そして番外編。右列に「Hollyland」という項目を作ってみました。

これはSolidcom C1 HUB BASEのことで、とても設計にこだわりを感じたので記載してみました。(Matrix Sideではありませんねm(__)m)

RTS、Clear-ComのマトリクスにLANケーブル一本繋げば4Wとワイヤレスインカムのやりとりが出来ると。

クロスケーブルが必要な訳ではなく、設定で変えられるというのも良くできています。

各社のワイヤレスキーパネル(ボディーパック)は子機1台で30-50万円程度しますから、マトリクスとセットで導入となれば軽く4桁コース…。

Hollylandはその価格で子機6台とベースステーションが買えます。

複数回線では使えませんが、価格以上の恩恵が得られるかもしれません。

以上、説明書を読みながら感動したお話でした。

閑話休題。

マトリクスインカムを始めたい！でもお高いんでしょ？

そんな皆さまへ、弊社にご相談ください。

お求めの規模感に合わせてお手頃価格でご紹介致します。

本ブログ更新日現在、Clear-Com MatrixPlus・Eclipse/RTS Zeus・ADAM-M、および各キーパネルを在庫しております。

ファームウェア互換性の検証や更新までご対応可能です。お気軽にご相談くださいませ。