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2025/05/22
ご無沙汰しています。Blackmagic Design Teranex Mini コンバーター系の修理はこれで4台目。
というご依頼。
いつも同じ故障パターン。ヤフオクなんかで見かけるジャンクもおそらく同じパターン。
TeranexMiniコンバーターは、設定が特にないような機器も含めて、大抵PoE入力、あるいはDC-IN入力がついています。
もしPoEハブやDC電源が手元にある場合はこれを試してください。普通に起動すると思います…。
今回もPoEでは安定動作しました。AC-DC基板の不具合でほぼ確定です。
ちなみに前兆が見られる場合は、電源が入っては落ちてを繰り返します。
>https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/teranexmini より
この設計、よくできていますよね。
サーバールームのような冷たい空気を左から吸引できるような環境では、3台目の熱交換を終えた後も問題になるような温度にはなりません。
では、トランクケースに詰め込んだ状態ではどうなるでしょうか…?
こちら内部写真。メインのFPGAとDC-DC基板はヒートシンクで冷却されますが、画像下部にあるAC-DC電源基板には直接風が当たりません。
(当たるように羽がついていますが実際は…)
電解コンデンサはおおよそ10℃下がれば2倍の寿命になると言われています。
高温環境においては、あまり余裕のない設計なのかもしれません。
黒魔術製品は冷やしたほうがいい、なんてよく言われますが、冷やしたほうがいいです、本当に。
そして今回の修理品では、AC-DC基板の接続ピンにはんだクラックも発見されました。
熱による基板の歪みの差が、ピンに負担をかけていたんだろうと推測しています。
こちら使用されていた電解コンデンサー。DC2次側が測定不可でした。
社内用ですが、このような記録は非常に大事です。
日本の電解コンデンサといえば、nichicon、Rubycon、東信工業、などが思い浮かぶでしょうか?
Rubyconさんは弊社の隣町、伊那市西箕輪の企業さん。ということで今回の交換品に採用しました。
電気的特性の他、ピッチ(2.5/3.5/5mmなど)、外径、高さの3項目を基準に選定していきます。
(ちなみに、nichiconさんは安曇野市大町、東信工業さんは上田市だったりと、意外とみなさんご近所。綺麗な大気と豊富な水資源に感謝です。)
閑話休題。
交換後、数時間の運用テストを行い、無事修理完了とさせていただきました。
・PZ2 ドライバー 、トルクスドライバー:
外装は全てポジドライブ。内部基板はトルクス。ストレートがあると良いでしょう。
・14mm ディープソケット :
BNCナットの取り外しに必要です。極力薄口がいいかと思います。スパークプラグ用(外径18.8mm)を利用しました。
・5.5mmレンチ:
アース線はナット取り付けです。ソケットも使えます。
・はんだ吸取機、吸い取り線 :
正直吸い取り線だけだと厳しいと思います。特にGND側は熱容量が大きいため、非常に溶けづらいです。
また、表面実装部品が近接している箇所は非常に作業性が悪いです。吸い取り器の細口アタッチメント推奨。
・フラックス :
チップ部品が同一ランドに載ってる!という鬼のような設計なので素早く作業するため。無洗浄品使うか、アルコールで洗浄しましょう。
弊社ではペーストタイプを利用しています。
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